お役立ちコラム

介護サービスを利用していると、職員がさまざなレクリエーションを企画してくれるため、一緒に参加する機会が増えてきます。多くの利用者は、これらの活動に何気なく参加していますが、レクリエーションの意味や種類、目的などを知らなければ、レクリエーションを楽しめなくなってしまいます。

そこで本記事では、レクリエーションの目的や意味を理解するために、レクリエーションの概要や、一緒に楽しむためのポイントについて、詳しく説明します。

目次

高齢者におけるレクリエーションの意味とは?

高齢者におけるレクリエーションの意味には、大きく分けて以下の4つの意味があります。

  • 1.体の機能を維持する
  • 2.脳の機能を維持する
  • 3.気分転換を図る
  • 4.他者と交流する機会が持てる

レクリエーションにこれらの意味があることを知っておけば、目的を持ってレクリエーションに参加できるようになり、充実した時間を過ごせるようになるでしょう。

ここからは、高齢者におけるレクリエーションの意味について、詳しく説明します。

レクリエーションの意味1.体の機能を維持するため

高齢者におけるレクリエーションの1つ目の意味は、体の機能を維持するということです。何気なく参加しているレクリエーションですが、そこには高齢者の体をしっかりと動かすという目的があります。レクリエーションを通して体を動かすことで、体に残っている機能を長期的に維持し、健康的な日々を過ごせるようになるのです。

また、レクリエーションにも下半身であったり腕であったりどこかに焦点を当てて体を動かすものもあれば、足や体幹のバランスを使って体を動かすものもあります。活動ごとに体のどの部分を使っているかを意識しておくと、レクリエーションの効果をさらに高められるようになるでしょう。

レクリエーションの意味2.脳の機能を維持するため

高齢者におけるレクリエーションの2つ目の意味は、脳の機能を維持するということです。体の機能を維持するためのレクリエーションとは違い、計算力や記憶力といった脳の機能を活性化させるような活動になります。

体の機能を維持するのも大切ですが、それと同様に脳の機能を維持することも日々の生活を活発に過ごすために重要です。

レクリエーションの意味3.気分転換を図るため

高齢者におけるレクリエーションの3つ目の意味は、気分転換を図るということです。デイサービスなどを利用して自宅以外の場所で過ごすようになるだけでも、気分転換につながるでしょう。しかし、デイサービスに行っても何も活動することなく1日が過ぎてしまっては、かえって外に出ることが苦痛になってしまうかもしれません。

そこでレクリエーションを取り入れて、活動に変化をつけることで心身ともにリフレッシュ。日々の生活に、楽しさを見いだせるようになるのです。

レクリエーションの意味4.他者と交流する機会が持てる

高齢者におけるレクリエーションの4つ目の意味は、他者と交流する機会が持てることです。介護が必要になると、今まで通りに友人や知人と会う時間を楽しめなくなってしまう人がたくさんいます。

そのような人にとっても、自宅の外に出てレクリエーションに参加することで、スタッフや他の利用者とコミュニケーションをとる機会が生まれます。レクリエーションを通じて仲良くなり関係性を深めていくことで、孤独感から解放されたり、生活の中に楽しみを見つけられるようになったりするのです。

レクリエーションの種類

介護サービスを利用している中で、体験できるレクリエーションには、たくさんの種類があります。

具体的なレクリエーションの種類には、以下の4つの種類があります。

  • 1.体を使ったレクリエーション
  • 2.手先を使うレクリエーション
  • 3.考える力を使うレクリエーション
  • 4.気持ちのリフレッシュが目的のレクリエーション

レクリエーションにどのような種類があるかを知っておくことで、レクリエーションに参加した時の様子をイメージできるようになり、これからの生活をさらに楽しめるようになるでしょう。ここからは、レクリエーションの種類や具体的な活動内容について、詳しく説明します。

レクリエーションの種類1.体を使ったレクリエーション

1つ目は、体を使ったレクリエーションです。この種類のレクリエーションでは、体の大きな筋肉を動かすことができるため、転倒予防や姿勢の保持、歩行能力の維持といった機能の維持が期待できます。

特に太もも周りの筋肉を維持することは、日常生活動作を容易にするために大切です。ここでは、足の筋肉を維持するために、よく取り入れられるレクリエーションを紹介します。

玉蹴り

足の筋肉を維持するために、よく取り入れられるレクリエーションの1つとして、玉蹴りがあります。玉蹴りには、サッカーボールよりも大きいサイズのゴムボールなどを使います。利用者やスタッフが円を作って座った状態で、相手に向かってボールを蹴る活動です。

ボールの動きを見ながら適切なタイミングで足を出すことや、ボールを相手のところまで転がすためにしっかりと足の筋肉を使うようになっているところがポイントとなっています。玉蹴り活動を通して、隣同士に座っている他の参加者とコミュニケーションをとる機会にもなります。

レクリエーションの種類2.手先を使うレクリエーション

2つ目は、手先を使うレクリエーションです。先ほど説明した体を使うレクリエーションとは違い、指先の細かい動きが必要になります。活動を通して、考える力や手先の器用さといった機能を維持するのが大きな目的です。

手先を使うレクリエーションとして代表的な活動は、以下の2つです。

  • 1.おはじきや折り紙
  • 2.塗り絵

これらの活動は、デイサービスの時だけでなく、自宅で1人で取り組むことも可能です。一人ひとりの意欲に合わせて自主的に活動できるのも特徴となっています。

1.おはじきや折り紙

手先を使う代表的なレクレエーションの1つ目は、おはじきや折り紙です。おはじきは、レクリエーションに参加する人の能力に合わせて、さまざまなサイズや材質が選べるのが特徴。おはじきを並べたり移動させたりすることで、指先の細かい動作を維持できるようになります。

また、折り紙は制作物(ゴール)を設定して、創作活動をしていきます。完成した作品は、施設に飾っても良いですし、自宅に持ち帰って鑑賞しても良いでしょう。制作過程はもちろん完成した作品を共有する時に、周りの人とコミュニケーションが発生するため、活動を通して人とのつながりが増やせるのもこの活動の魅力です。

2.塗り絵

手先を使う代表的なレクレエーションの2つ目は、塗り絵です。塗り絵は、本やプリントに描かれている絵に、色鉛筆や絵の具を用いて色を塗っていきます。どの部分にどの色を塗るのかを考えたり、線からはみ出さないように細かく作業するため、脳と手先の機能を維持するにはうってつけです。

完成した作品は、折り紙と同様に施設に飾ったり自宅に持ち帰ったりできます。作品を通して新たな制作意欲が生まれるのも、魅力の1つです。

レクリエーションの種類3.考える力を使うレクリエーション

3つ目は、考える力を使うレクリエーションです。物事を比較したり計画を立てたりする能力を使うので、脳の機能を維持するために大切な活動になります。

ここでは、考える力を使う代表的なレクリエーションを紹介します。

絵合わせゲーム

考える力を使う代表的なレクリエーションに、絵合わせゲームがあります。トランプを利用した、神経衰弱もその1つ。トランプだと絵柄が複雑すぎる場合は、介護用の絵あわせカードもあります。レクリエーションに参加する人によって、適切な道具を使用するのがポイントです。

この活動を通して、判断する能力や記憶する能力の維持に効果が望めます。絵合わせゲームを進めながら、他の利用者や職員と会話やかけひきを楽しめるのも、魅力です。

レクリエーションの種類4.気持ちのリフレッシュが目的のレクリエーション

4つ目は、気持ちのリフレッシュが目的のレクリエーションです。
代表的な活動には、以下の3つがあります。

  • 1.カラオケ
  • 2.物おくりゲーム
  • 3.玉入れ

これらの活動を行うことでレクリエーションを通して気分転換できるようになり、毎日の生活を落ち着いた気持ちで過ごせるようになるでしょう。ここでは、気持ちのリフレッシュが目的のレクリエーションを紹介します。

1.カラオケ

1つ目は、カラオケです。老若男女を問わずカラオケを趣味にしている人は多いので、カラオケの時間を楽しみにしているという声はよく聞かれます。歌うことが好きな人にとって、カラオケは気持ちをリフレッシュするのにうってつけです。

また、歌を歌わなくても、音楽を聴いていたり一緒に手拍子をするだけで楽しい気分になれるため、「歌うことが苦手」という人でも、安心して参加できます。

2.物おくりゲーム

2つ目は、物おくりゲームです。1列に並んだ参加者が各々うちわを持ち、風船など重さの軽いボールをうちわの上に乗せて隣の人へ渡していきます。2列以上作ることで、列ごとにスピードを競えるため、競争意識が芽生えてレクリエーションが盛り上がるのも特徴です。

ボールの流れを目で追ったり、バランスを意識しながらボールを受け渡しするため、集中力やバランス感覚を維持できることが期待できます。

3.玉入れ

3つ目は、玉入れです。玉入れと言っても、高さのあるカゴに玉を入れるものだけではありません。円になって座った参加者たちの中心に、フラフープなどを置き、そこに向かってお手玉などの転がったりはねたりしにくいボールを投げるものもあります。

ボールを投げるために上半身の筋力や、目的の場所にボールを入れるための集中力が必要になります。玉入れは、体も頭も使いながら楽しめるレクリエーションと言えるでしょう。

レクリエーションを企画する介護士の視点とは?

介護サービスの利用者が楽しんで活動できるように、介護士はさまざな視点でレクリエーションを企画しています。レクリエーションを企画する側の視点を理解しておくことで、介護士の考え方を把握しながら活動に取り組めるようになるのです。

ここからは、レクリエーションを企画する介護士の4つの視点について、詳しく説明します。

介護士の視点1.介護士も一緒に楽しめるレクリエーションを考えている

1つ目は、介護士も一緒に楽しめるレクリエーションを考えているということです。レクリエーションの主役は、あくまで参加する利用者。高齢者でも楽しめるような活動を企画するのは当然ですが、一緒に楽しめるようなレクリエーションを提案することで、職員もより主体性を持って活動を楽しめるようになります。

職員が主体性を持って活動を楽しむことで、楽しい気持ちや嬉しい気持ち、悔しい気持ちを共有でき、さらに楽しい活動を考えようというモチベーションにつながるのです。

介護士の視点2.他の職員にも参加してもらえるレクリエーションを考えている

2つ目は、他の職員にも参加してもらえるレクリエーションを考えていることです。レクリエーションに参加するのは、基本的に職員と介護サービスを利用している高齢者になります。しかし、介護サービスを提供している施設で働く職員は、介護士だけではありません。

看護師やケアマネージャー、事務職員といった、施設の運営に関わるさまざまな職員がレクリエーションに参加すれば、施設全体の雰囲気を盛り上げることにつながります。それによって、職員たちも楽しく働けるようになり、より良い職場環境づくりにつながっていくのです。

介護士の視点3.ボランティアの協力も必要だと感じている

3つ目は、ボランティアの協力も必要だと感じていることです。介護職員が主体となってレクリエーションを企画、運営していくのが基本ですが、レクリエーションの内容によっては、多くのサポートが必要になる場合もあります。

そのような場合、施設職員だけでは対応できないことがあるため、ボランティアへ協力を依頼しようと考えるのです。それによって、普段体験できないようなレクリエーションを実現できるようになり、より参加者たちに楽しんでもらえるようになります。

介護士の視点4.タイムスケジュールも大切にしている

4つ目は、タイムスケジュールも大切にしているということです。時間をかけてレクリエーションを楽しむことも大切ですが、タイムスケジュールを意識して企画しなければ、利用者の送迎や入浴介助といったケアに影響が出てしまいます。

必要なサービスをまんべんなく提供するためには、レクリエーションにおいても時間管理が大切なのです。

高齢者がレクリエーションを楽むためのポイント

介護職員たちは、高齢者が楽しめるようなレクリエーションを企画しています。楽しんで参加する人がほとんどですが、中にはレクリエーションを楽しめない人もいるでしょう。

ここからは、高齢者がレクリエーションを楽しむための5つのポイントについて、詳しく説明します。

ポイント1.興味や関心のあるレクリエーションを提案してみる

1つ目は、興味や関心のあるレクリエーションを利用者側から提案してみることです。介護サービスを利用していると、一方的に活動内容を提示されることがほとんど。しかし、自分が興味のある分野や、得意としている分野のレクリエーションを提案してみることで、施設に新たな活動が生まれるケースもあります。

それらの提案が実現されれば、より意欲的にレクリエーションに参加できるようになるでしょう。

ポイント2.分からない部分は気軽に質問する

2つめは、分からない部分は気軽に質問することです。レクリエーションの内容によっては、どのように取り組めば良いか分からなくなることもあります。分からないままにしておくと、活動内容をつまらなく感じてしまいかねません。

施設の職員も、高齢者により楽しんで参加してもらいたいと考えています。分からないことは、遠慮せず気軽に質問しましょう。

ポイント3.レクリエーションの目的を聞いてみる

3つ目は、レクリエーションの目的を聞いてみることです。レクリエーションに参加すること自体にも意味がありますが、筋力を鍛えるためのものや、脳を使う活動などその目的はさまざまです。

活動の目的を意識して参加することで、目的意識を持ってレクリエーションを楽しめるようになります。

ポイント4.安全には十分注意して参加する

4つ目は、安全には十分注意して参加することです。活動内容によっては、大きく体を動かすものもあります。

無理な動きをしてケガをしてしまえば、今後の日常生活に影響が出てしまいます。転倒などのケガには十分注意して参加するようにしましょう。

ポイント5.無理に参加する必要は無い

5つ目は、無理に参加する必要はないということです。レクリエーションの内容によっては、興味や関心を持てないものもあるかもしれません。

そのような活動に無理して参加することで、ご自身はもちろん他の参加者の気分まで害してしまう可能性もあります。参加したくないと感じた時は、遠慮なく職員に伝えるようにしましょう。

まとめ

ここでは、レクリエーションの目的や意味を理解するために、レクリエーションの概要や、一緒に楽しむためのポイントについて、詳しく説明しました。

あなぶきの介護では、ご利用者様が楽しめる活動を提供するべく、デイサービスなどでさまざまなレクリエーションを企画しております。

「知っておきたいデイサービスのあれこれ」では、具体的な活動内容についての取材があった際の記事を掲載しております。
ぜひ一度ご覧になってご見学にいらしてください。なお、見学・ご相談は「介護相談・来場予約」フォームからお気軽にご連絡ください。オンラインでの入居相談も可能です。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長
2023年 10月 常務取締役 兼 事業本部長 兼 事業推進部 部長