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お役立ちコラム
2023年7月1日
介護職の未来とは?将来性や今後の展望を徹底解説
介護職は、日本の社会になくてはならない存在です。少子化と高齢化が進む中、市場規模は拡大を続けています。これから介護職を目指す人材は、業界に限らず社会に歓迎され、将来性や今後の展望については申し分ありません。
ここでは、介護職の将来性と今後の展望を、現状の統計データなどを踏まえて解説していきます。介護職への転職を考える方も、ぜひ参考にしてください。
目次
未来はどうなる?介護の現状
介護職の未来を測るためには、現状を知ることが大切です。「高齢化社会がすすんでいる」「少子化対策が急がれる」といった記事を見かけますが、これらを正しく理解するには、現状を雰囲気ではなく統計でとらえる必要があります。
ただし、統計を見てもよくわからないところもあるでしょう。ここでは、統計データに補足説明を加えて引用し、数値が表す現状と将来について解説します。
介護のニーズは年々増加している
厚生労働省による令和2年度(2020年度)の調査によると、介護を必要としている高齢者は約668万人です。令和元年度(2019年度)の約655万人から、さらに13万人増えていることがわかります。
これは、65歳以上の高齢者の人口が増えているためです。総人口が減少し続けていることを考えても、高齢者の割合は凄まじいスピードで増えていることがわかります。
とくに75歳を越えると健康寿命を過ぎることもあり、介護サービスが必要になる方も多いです。施設に入居する方だけでなく、自宅で介護サービスを利用したり、デイサービスなどを利用したりする方が多くいます。当面の間、介護のニーズが減ることはないでしょう。
参考:厚生労働省「令和元年度 介護保険事業状況報告(全国計)」
参考:厚生労働省「令和2年度 介護保険事業状況報告(全国計)」
人手不足が深刻化している
介護のニーズが増加すればするほど、介護サービスに携わる人手が必要です。介護業界では、令和2年(2020年)から令和7年(2025年)の間で約29万人の介護職が不足するだろう、と指摘されています。その間にも高齢者人口は増え続け、介護ニーズは増加するため、今後はますます人手不足が深刻化するでしょう。
そのため、今介護職を目指している人や以前介護の現場で働いていた経験がある人は、介護業界で大いに歓迎さされる「売り手市場」です。今後高齢者人口が増えることを考えれば、今から転職する若い世代にとっても、長期間携わるキャリアとして取り組むに値する仕事といえます。
参考:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について 」
介護保険料は増加傾向にある
高齢者人口が増えて介護サービスの利用者が増えることは、介護保険サービスの受給者が増えることを意味します。介護保険法が施行された平成12年(2000年)、要介護・要支援の認定者人口は約218万人でした。20年後の令和2年(2020年)は約668万人となり、実に3倍以上に増加しました。
そのため、平成15年(2003年)以降、介護保険料は以下の通り増加し続けています。
施行年 | 介護保険料の全国平均額(増加率) |
2000年 | 2,911円(-) |
2003年 | 3,293円(+13.1%) |
2006年 | 4,090円(+24.2%) |
2009年 | 4,160円(+1.7%) |
2012年 | 4,972円(+19.5%) |
2015年 | 5,514円(+10.9%) |
2018年 | 5,866円(+6.4%) |
2021年 | 6,014円(+2.5%) |
現在の介護保険料は、制度施行当初に比べると実に2倍以上です。今後も、保険料の増加傾向は続くでしょう。
単独世帯や夫婦のみの世帯が増加している
以前は、高齢となった親の介護は子どもがすると考えられていました。しかし、少子化や女性の社会進出といった社会情勢の変化により、家族の在り方も変化しています。単独世帯や夫婦のみの世帯は、増加の一途です。
介護保険制度が施行された背景には、民間の介護サービスが充実してきた流れもあります。介護サービスを利用して、家族の介護負担を減らす潮流になってきたのです。
介護のあり方は、一様ではありません。家族内で分担をすることで、カバーできることもあるでしょう。しかし、介護を必要とする高齢者が増える以上、やはり介護職の増員は必要です。現状の介護業界は人材を適切に確保できず、慢性的な人材不足に悩まされています。
介護職の未来はどうなる?
ここまで、介護職のニーズは当面の間増え続けることがわかりました。だからといって、実際に介護職に就くとなると、さらに現実的な処遇や将来の展望が気になります。実際に介護する現場は、今どのような状況で、今後処遇はどのようになると考えられているのでしょうか。
ここでは、仕事としての介護職の需要や処遇、職場環境について解説します。
介護職の需要はますます高まる
高齢者人口の増加などによって、これからの介護職の需要はますます高まると考えられています。介護職の数も年々増えてはいるものの、需要の高まりに十分対応できるほどではありません。現在のペースが続けば、令和7年(2025年)には約32万人、令和22年(2040年)には約69万人の介護職が不足すると推計されています。
介護業界では、「なんとかして優秀な人材を確保しよう」と給料や多様な働き方への対応など処遇の改善に力を入れているのが現状です。
介護職の処遇改善が見込まれる
ますます増加する介護職の需要の高まりに対応するため、政府もさまざまな人材確保のための政策を打ち出しています。
なかでも給与の改善として、令和元年(2019年)には、「介護職員等特定処遇改善加算」が追加されました。経験豊富で高いスキルを持つ国家資格「介護福祉士」を保持する職員の給料アップをメインとし、他の介護職の給料アップもできる制度です。
処遇改善の結果、常勤の介護職の平均月給は、次の通りおおむね増加傾向にあります。
調査年度 | 平均給与月額 |
2016年 | 289,780円 |
2017年 | 293,450円 |
2018年 | 300,970円 |
2019年 | 300,120円 |
2020年 | 315,850円 |
ニーズが高く、慢性的な人材不足が続く介護業界だからこそ、今後も介護職の処遇改善が見込まれています。
職場の環境改善が見込まれる
介護職の職場環境も、改善が見込まれています。たとえば、介護施設や事業所が保育施設を設置・運営するための支援制度や、資格を取得する際の費用負担を軽減する制度などです。介護職が働きやすい環境を整え、キャリアアップを促進する狙いがあります。
介護職の増員と定着のため、ほかにも以下のような取り組みが進められています。
- 多様な人材の確保と育成
- 介護職の魅力の向上
- 離職防止・定着促進・生産性向上
- 外国人材の受け入れ環境の整備
さらに業務のICT化したりやAをI導入したりして職員の負担を軽減し、介護の仕事のあり方も改善されつつあります。
AI時代における介護職の未来とは
「AI(人工知能)が本格的に実用化されると、今ある仕事の半数近くが人間にとって変わられ、なくなってしまうかもしれない」と、話題になっています。
AIはテクノロジーの1つで、介護の業務に導入すれば効率化に繋がるものもあるでしょう。しかし、介護職の本来の目的である介護業務ではなく、事務処理作業やデータの取り扱い業務といった介護事務がほとんどです。事務的な業務をAIが担えば、介護職は利用者やそのご家族との対応などに注力できます。
介護業務は本来、利用者一人ひとりに向き合い、寄り添う仕事です。相手を思いやる気持ちや感情のやりとりなど、コミュニケーションが多く求められます。そのため、AIに取って代わられることはないでしょう。
一方、介護ロボットは介護職の力仕事を補助し、介護職の身体的負担の軽減に役立ちます。またWi-Fiネットワークを利用した情報共有システムや見守りカメラなどを活用すれば、業務の効率化や安全性の確保が可能です。
介護職にも、効率的でより質の高いサービスの提供が求められるようになっています。今後介護職に就く方には、テクノロジーを拒絶するのではなく、上手に利用しようという柔軟な姿勢が求められます。
介護職のやりがいとは
介護職は将来にわたってニーズが高く、人材不足で売り手市場です。長く自分の仕事とするのであれば、やはり介護職のやりがいを知りたくなるでしょう。
介護職には、さまざまな視点から見たやりがいがあります。ここでは主なやりがいについて、説明していきます。
感謝される場面が多い
たとえば何か困っているとき、誰かがその様子に気づいて「〇〇しましょうか?」と声をかけてくれるだけで、高齢者は「ありがたい」「助かった」と感じることがあります。年齢を重ねると、なにげないことができなかったり、戸惑ったりするものです。声をかけてもらえると、安心するでしょう。
介護職では、このような「ありがとう」を言ってもらえる場面が多いです。「この仕事をやっていてよかった」を感じて、さらにやる気が湧いてくるかもしれません。介護職は、このような人間同士のコミュニケーションによる喜びがある仕事といえます。
経験とともにキャリアアップできる
まったくの未経験でも、介護の現場ではキャリアアップが可能です。大切なのは、仕事をしながら経験を積み、しっかり自分の力にすることでしょう。そうして得た知識と経験が、振り返ったとき自分のキャリアになっていると感じられます。
知識や経験は、資格取得や新しく担当する利用者の介護でも役立ちます。豊富な経験を積めば、難しい介護が必要な利用者の担当に抜擢されるかもしれません。
万が一介護職を辞めることになっても、将来自分の家族に介護が必要になったとき、その経験は大いに活かせるはずです。もちろん、介護職だけでなく、管理者やケアマネジャーといったキャリアアップもできます。
介護職は、仕事で得た知識や経験が将来のキャリアアップに繋げられる仕事です。
介護が必要な方の自立をサポートできる
介護保険法は、「尊厳を保持し、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」ことを目的としています。介護職の中には、利用者がリハビリなどの結果自立したときに、やりがいを感じる方もあるでしょう。
これまでできなかったことができるようになって、新しく別のことに意欲を持つなど元気になれば、本人だけでなくそのことを知っている周囲もうれしくなります。介護職は、利用者の自立をサポートできるだけでなく、自立できた時の「うれしい」を目の当たりにしてともに喜べる仕事です。
人生の先輩から学びが得られる
介護職は、高齢者と直接接する仕事です。核家族化が進む昨今、高齢者と接する経験が少ない方も多いでしょう。そのような方であっても、直接コミュニケーションをとることで、人生の先輩から学びを得られる可能性があります。
人生は楽しいことやうれしいことだけでなく、辛かったことや苦しかったこともあるものです。自分の何倍も生きてきた高齢者であれば、多くの経験を積み、山あり谷ありだったでしょう。
「教えてください」と言うことだけが、学びではありません。若い頃料理人をしていた方が言ういう調理のちょっとしたコツや、昔の出来事の思い出などからでも、学べることはあります。仕事として、人生の大先輩から学びを得ることもできるのが、介護職なのです。
性別や年齢に関係なく活躍できる
性別や年齢に関係なく仕事に取り組めることも、介護職でやりがいを感じられるポイントです。介護職は、複数のスタッフがチームとして連携しながら業務に取り組みます。それぞれが得意とすることを担当したり、できないことはカバーしあってこなしていくのが通常です。
そのため「〇〇ができないから」と応募しようか悩んでいる方でも、実際に仕事を始めればできることがある可能性も大いにあります。まずは介護職を始めたいという気持ちを、応募という形で表現することから始めるとよいでしょう。
未来に向けてスタート!介護職の始め方
介護業界や介護についての知識がなく、ましてや経験もないと、どのように介護職に就いたらいいのかわからず、応募をためらうことがあるかもしれません。まずは実際に取り組む業務にはどのようなものがあるのか、介護の資格は必須なのか、どのような働き方ができるのかを知っておくと、介護職が現実味を帯びてくるでしょう。
ここでは、介護職を始める方法について解説します。
介護職について知る
介護職の仕事は、大きく身体的介助と生活介助に分けられます。
- 身体的介助:食事や着替え、排泄、入浴といった利用者の体に触れる介助
- 生活介助:食事の支度や洗濯、買い物、掃除といった利用者の体に触れない介助
生活介助は、ある程度家事がこなせれば資格がなくても可能な内容です。一方の身体的介助は、寝たきりや1人での生活が難しいといった比較的介護度が高い利用者が対象になります。無資格でも携わることはできますが、有資格者の監督の下でなければいけません。
介護サービスでは、介助できることとできないことが細かく決められています。トラブルを防ぐためにも、事前に把握しておくことが必要です。
介護職員初任者研修を取得する
介護職は、資格や経験がなくても始められる仕事です。資格がない場合、身体介助は有資格者の監督を必要としますが、生活介助はすぐにでも始められます。仕事をしながら並行して勉強し資格を取得すれば、単独でもできることが増えるため、より待遇のよい処遇への変更も可能です。
資格を取得するなら、まずは介護職員初任者研修をオススメします。介護職員初任者研修は、介護職の入門的位置付けの資格です。修了すれば介護の基礎的な知識や技術を身につけている証明となり、訪問介護などでの身体介助にも携われます。受講費用は4万〜10万円程度と、講座を提供する企業や地域によって異なるため確認しましょう。
介護職員初任者研修として経験を積めば、さらに介護福祉士実務者研修や国家資格である介護福祉士へのキャリアアップも可能です。
働き方を選択する
介護職で働くスタッフは、全員が正社員というわけではありません。派遣社員や契約社員、パートなど働き方はさまざまです。たとえばまだ子どもが小さく、フルタイムでの勤務が難しい場合は、まずはパートからスタートしてはいかがでしょうか。子どもが大きくなったら、より高い収入を得られる正社員や契約社員を目指すという方法も選択できます。
実際にどのような働き方ができるのかは、施設によって異なるのが現状です。たとえば入所系の施設には夜勤がありますが、デイサービスにはありません。また、同じ施設でもグループホームと訪問介護では働き方がまったく異なります。自分に合う施設がどれかわからない場合は、直接問い合わせてみるのもよいでしょう。
介護職は今後ますます必要とされる仕事
介護業界は、慢性的な人材不足に悩まされています。一方で65歳以上の高齢者人口は増え続けており、介護を必要とする高齢者の数も当面増え続けると予想されています。そのため介護を担う介護職は、将来にわたって安定した未来の開かれた仕事といえるでしょう。
介護職は、まったくの未経験から始められる仕事です。業務と並行して勉強し、資格を取得すればキャリアアップもにも繋がります。施設や取り組む業務によっては、働き方も選択可能です。
ニーズが高くキャリアアップする道もある介護職は、未来が明るい、やりがいのある仕事といえるでしょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝
2011年 4月 入社 事業推進部 配属
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長
2023年 10月 常務取締役 兼 事業本部長 兼 事業推進部 部長