お役立ちコラム

65歳以上の高齢者の割合は、平成27年時点の調査で25%以上となっています。つまり、4人に1人は65歳以上の高齢者という計算です。また、現在のまま推移していくと、50年後には2~3人に1人が65歳以上になる見込みです。

このように高齢化が進んでいる現代日本で問題となっているのが、高齢者の一人暮らしや孤独死の増加です。今回は高齢者を取り巻く孤独死のリスクと、対策方法について解説していきます。

 

■高齢者の一人暮らしの実情

冒頭で、4人に1人は65歳以上の高齢者であるとご紹介しました。これに加え、一人暮らしをしている高齢者は男性が10人に1人、女性が5人に1人いるという調査結果があります。

また、地域のグループ活動参加などへの参加数は、少しずつですが減少傾向がみられるという調査結果も公表されています。このことから、一人暮らしをしている高齢者の多くは、地域のグループ活動などといった外部との接触がほとんどない状態であるといえます。

実際、およそ60%以上の高齢者がご近所づきあいもほとんどなく、電話やメール、会話などの頻度も2~3日に一度ある程度だとされています。一人暮らしの高齢者の多くが、このように社会とのつながりが希薄な状態となっているのが現代の問題のひとつです。

 

高齢者の一人暮らしには、病気やケガをしたときに発覚しにくいというリスクがあります。これに加え、困ったことがあっても近所に頼れる人がいない状況はストレスにもつながり、最悪の場合は孤独死という結果を招いてしまいます。

地域社会や他者とのかかわりが少ないため、孤独死した高齢者の中には死後ずいぶんとたった後に見つかるケースもあります。病気やケガで身動きがとれなかったことが原因で倒れ、衰弱していった人もおり、「数日間、姿を見せなくても誰も異変に気付かない」状況の恐ろしさがうかがえます。

 

■高齢者を孤独にさせない取り組みが必要

高齢者の一人暮らしによる孤独死のリスクを減らすには、地域社会との希薄になりつつある関わりを見直さなくてはなりません。こうした問題を解決するために、地域の企業や行政もさまざまな取り組みを始めています。例えば、次のような取り組みがあげられます。

 

・牛乳屋や新聞屋の配達員による見回り
・高齢者の生活を見守るシステムの導入
・行政の職員による訪問

 

牛乳屋や新聞屋は、契約すればほぼ毎日配達に訪れます。その際に高齢者のお宅の様子をうかがい、安否確認を行うという取り組みが行われています。電力会社やガス会社でも、メーターの具合から状態をある程度判断することができます。

近年では電気ポットなどの家電にも搭載されていることがありますが、高齢者の家に見守りシステムを導入し、定期的に安否確認を行う方法もあります。人感センサーを活用するものや、緊急呼び出しボタンつきのものも存在します。

地域によっては、民生委員が直接高齢者宅へ様子をうかがいに行くこともあります。このときに高齢者の生活実情を確認し、相談にのったり、高齢者に必要な支援内容の判断をしたり、各行政窓口へ連絡したりといったことを行うこともあります。

 

こうした対策の他にも、地域コミュニティへ積極的に参加する方法もおすすめです。会話できる相手がいるだけで活力がみなぎり、新しい友人付き合いを得ることで孤独死のリスクをぐっと下げます。

 

■老人ホームなどへの入居もひとつの手

地域コミュニティへの参加などさまざまな対策をしていたとしても、高齢者が一人暮らしをしている以上は、孤独死を完全に避けることはできません。孤独死を避けるためにはひとりではなく、誰かと一緒に生活を送ることが大切です。例えば、老人ホームなど高齢者のための生活支援施設への入居を検討してみてはいかがでしょうか。

老人ホームは職員が24時間体制で健康管理を行うため、いざというときでも安心して任せることができます。年齢の近い他の高齢者と出会う機会も得られ、精神面でもよい影響が期待できます。

今後も孤独死のリスクをもった高齢者の一人暮らしは増加していく見込みとなっています。そうしたなかでは、高齢者個人個人に合った支援方法や見守り方法を選ぶことが大切です。

 

参考URL: http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_1.html

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長
2023年 10月 常務取締役 兼 事業本部長 兼 事業推進部 部長