- あなぶきの介護トップ
- 鹿児島県の施設
- アルファリビング鹿児島東千石
- ブログTOP
- 2014年6月9日
2014年6月9日
今日は、真面目な話を…
歯(義歯)は食事を摂るために必要なものであることは皆さんもお分かりでしょう
では、食べられなくなったとき、歯(義歯)は必要なくなるのでしょうか?
実際、「経口摂取をしていないから」という理由で歯を抜歯したり、義歯を外したりするのはよくあることですが、それが常識のように感じてはいませんか?
実は歯(義歯)は食べること以外に、様々な面で多くの役割を担っているのです
私たちは1日に1.5リットルもの唾液を出し、飲み込んでいます。経口摂取していない人が、誤嚥性肺炎を繰り返し起こすのは、自分の唾液の嚥下や痰が処理できない口腔になっていることが大きな要因となっています
欠損部分を義歯で補い、上下の歯があることにより下顎のあるべき場所が確定します
そうして下顎が固定されることによって嚥下時に舌に力を入れやすくなり、その結果嚥下圧が高まり、誤嚥のリスクが低くなります
歯の欠損が多い場合に、義歯がこれを補っていないことが誤嚥のリスクを高めるのです
また、パーキンソン病や抗精神病薬が投与されている場合によく見られる、常にモグモグするような顎の動きが、義歯がなく下顎が固定されない場合に出てくることがあります
歯がないと顎が落ち着く場所が分からず、様々な問題につながります
また咀嚼できる歯があるからこそ、下顎が常に上顎を突き上げ脳への刺激にもなります
更に、よく噛むことは唾液を出し、消化を助け、舌や頬を使うことで機能維持や口腔内の自浄作用にもつながります
そのほか部分義歯の場合は、装着することで残っている歯にかかる負担を減らすことができます
義歯がないと残りの歯に負担がかかり、そしてそれらの歯が徐々に駄目になり、義歯は更に大きくならざるを得ません
このように義歯は食べることを助けるだけのものではありません
義歯を装着したら20才くらい若返ったというのはよくある話で、言葉もはっきりし、体の平衡感覚が保たれ歩行の安定にもつながり、引いては外出する気持ちが芽生えることも想像できます
つまりその人が、身体的にも精神的にも社会的にもその人らしくあるために、義歯は必要なものなのです
いつまでも健康で白い歯でいたいですが、もし義歯になったとしても、歯磨きをまめにして、きちんとケアしていけたら…と思います